書家としての在り方
単に字を書くのではない。デザイン先行で筆を遊ばせるわけでもない。書だからこその特性を最大限に活かしメッセージ性の強い作品を生み出していく。
だが伝えたい言葉をただ書いただけでは芸術にならない。偽善ではなく生々しい人間の奥底の部分にスポットを当て、たとえ一字でもそこにストーリー性と普遍的なテーマを込め発信していく。
人は普段なかなか表には出さないかもしれないが、誰しもそれぞれ悩みや葛藤を抱えている。だからこそ、そこを含め描ければより深いところで共感できるものになるはずだ。
自己への探求、他者への紡ぎ方…それは哲学であり今を生きる行為そのものだ。ギリギリの狭間でみずみずしさをもって表現したい。
そして表現者としての自分の立ち位置や方向性の意識は常に持っていたいと思う。